AIによってなくなる仕事10選！奪われる理由やなくならない仕事も解説

「今の仕事がAIによってなくなるかも…」
「AI時代でもなくならない仕事とは？」

AIの進化は目覚ましく「仕事がなくなる」という情報に触れ、将来に不安を感じている人も多いのではないでしょうか。しかし、AIの特性を正しく理解して適切な準備をすれば、恐れることはありません。

本記事は、AIによってなくなる仕事・なくならない仕事の具体例から、AI時代を生き抜くための対策までを網羅的に解説します。

この記事を読めば、AIと共存していくためのキャリアプランを描く、具体的なヒントが得られるはずです。

AIによって仕事がなくなると言われる理由とは

2015年に野村総合研究所が公表した「日本の労働人口の49％が人工知能やロボット等で代替可能に」というレポートが、AIによって仕事がなくなると言われる理由です。

このレポートには、人工知能やロボットに代替される可能性が高い職業と低い職業がそれぞれ100ずつ掲載されています。今の職場でもAIを導入したら「自分の仕事がなくなるかも⋯」と不安になる社会人が多くいました。

もし、今の職場から転職を考えているなら「ビズリーチ」に登録しましょう。将来性が高く年収アップも狙える企業を紹介してくれる可能性が高いです。

AIによってなくなる・なくならない仕事の予測はズレが出てきた

2015年に公表された「AIやロボットによってなくなる・なくならない仕事」は、10年が経過した2025年時点でズレが出てきました。なくなる仕事はロボット開発が滞っており「ドライバー」「警備員」などは、まだまだ人手が必要です。

逆に、なくならないと予想された「フリーライター」「漫画家」などは生成AIの台頭で人の手が必要な機会が減りました。「AIアナウンサー」はNHKのニュース番組で原稿を読んでいるので、見かけた人も多いと思います。

野村総合研究所のレポートでは2035年までの予測だったので、この先の未来ではまた結果が変わるかもしれません。

そもそもAIとは？

AI(人工知能)とは「Artificial Intelligence」の略称です。一般的に自ら学習する機能を持ったコンピューターを指します。大量のデータを分析し、人間よりも効率的に処理をするのが得意です。

すでに、ビジネスや私たちの生活の中に溶け込んでおり、様々な場面で活用されています。しかし「感情の理解」や「コミュニケーション能力」などは、まだ人間に及ばず「なんでもできる存在」ではありません。

AIでできることは？

2025年時点でAIができることは、主に上記の5つに分類できます。ヒューマンエラーを大幅に削減できるので効率化や生産性の向上が見込めます。人間と違って休むことなく、24時間働き続けることも可能です。

加えて、上記の能力を組み合わせることも可能です。例として、自動運転の技術では画像認識や強化学習、データ解析などを組み合わせています。完全自動運転が実現すれば、ハンドルやアクセルがない車が登場するかもしれません。

また、ChatGPTの登場により生成AIへの注目が集まっています。画像や文章、音声などのコンテンツを人間のように生成する技術で、創造的な表現が人間に近づきました。

日本企業のAI導入率は？

参照：総務省│令和5年通信利用動向調査報告書

令和5年に公表した総務省のデータによると、日本企業のAI導入率は16.9％です。令和3年の導入が14.9％だったので、2％の上昇という微々たるものでした。

なお、産業分野別で見ると「金融・保険業」が最も高く34.7％で、最も低かったのが「運輸・郵便業」の11.8％でした。

さらに、従業者規模別で見ると2,000人以上の大企業では導入率が43.3％もありますが、100～299人の中小企業は13.6％しかありません。「AIを使いこなす人材不足」「運用コスト」などが要因と考えられます。

▼(産業分類別のAI導入率)

• 産業別	AI導入率
  全体	16.96%
  金融、保険業	34.7%
  情報通信業	25.8%
  製造業	21.7%
  不動産業	18.4%
  建設業	15.4%
  卸売、小売業	15.0%
  サービス業、その他	13.5%
  運輸、郵便業	11.8%

▼(従業者規模別のAI導入率)

• 従業者規模	AI導入率
  全体	16.9％
  2,000人以上	43.3％
  1,000～1,900人	37.4％
  500～999人	22.5％
  300～499人	16.6％
  100～299	13.6％

生成AIを活用する予定は日本が最も低い

参照：総務省｜令和6年版情報通信白書 第5章

令和6年に総務省が公表したデータによると、生成AIを活用する方針と回答した企業は日本が最も低く42.7％です。米国は79.9％、ドイツが80.6％、中国が95.1％という回答なので、日本は圧倒的な低さです。

日本の数値が低い理由として「社内情報の漏洩といったセキュリティリスクが拡大する」「著作権等の権利を侵害する可能性がある」と回答した企業が約7割もいたことが考えられます。

日本企業は世界と比較して生成AIを導入するリスクを懸念しており、慎重な動きをしているのがわかります。

AIによってなくなる仕事10選

仕事	なくなると言われる理由
▼事務職	データ管理、計算、メール作成などAIの得意な業務が多い
▼データ入力	AIならミスをしないで大量のデータを高速処理できる
▼コールセンター カスタマーサポート	すでに顧客からの質問に回答できるチャットボットが普及している
▼銀行員 銀行窓口	AIは正確性が必要な数字を扱う業務と相性が良く、窓口もチャットボットに変わりつつある
▼製造業	品質管理や検品、不良品の発見、在庫管理などがAIで24時間稼働できる
▼スーパー コンビニ店員	セルフレジがすでに普及しており、在庫管理や発注といった数字管理はAIの得意分野
▼Webライター	ChatGPTの登場で記事の生成や構成ができるようになった
▼会計監査	データ分析や数値のチェックなどをAIで効率化できる
▼薬剤師	調剤業務や処方監査、在庫管理などをAIで効率化できる
▼ホテルフロント	顔認証によるチェックイン業務、多言語対応、カードキーとの連携などがAIで可能

事務職

事務職はAIによってなくなる仕事と言われています。フローが決まっている「データ管理」「計算」「メール作成」などのルーティンワークは、AIの得意分野なので効率化が可能です。

また、請求書やレシートなどの紙に記載された数値の入力は「AI OCR」というカメラから文字を読み込んでデジタル化する技術により、時間短縮と人件費のコスト削減が進んでいます。

データ入力

データ入力はAIによってなくなる仕事と言われています。顧客情報やアンケート結果などを特定のフォーマットに入力する仕事ですが、AIを使用することでヒューマンエラーの削減、正確性の向上、24時間稼働などのメリットが生まれます。

また、データ入力には動画や音声データを文字に書き起こす業務があり、人間の耳では充分に聞き取れないケースがあります。しかし「音声認識」はAIの得意分野なので、人間よりも正確に音声を文字に書き起こせます。

コールセンター

コールセンターはAIによってなくなる仕事と言われています。すでに多くの企業では「チャットボット」と呼ばれる、問い合わせに対してAIが返答してくれるシステムを導入しています。

コールセンターによくある「単純な内容でも問い合わせが多くて時間や手間を取られる」「24時間いつでも対応したい」などの課題も、AIのチャットボットにより解決に向かっています。

銀行員、銀行窓口

銀行員や銀行窓口はAIによってなくなる仕事と言われています。令和5年に総務省が公表したデータによると、産業別でAIの導入が最も進んでいるのが「金融・保険業」の34.7％です。数字を扱う業務とAIの相性が良いためと考えられます。

また「ソニー銀行」や「auじぶん銀行」などの店舗を持たないネット銀行が増えています。店舗を建てて窓口を設けるよりも、サイト上のチャットボットで対応するほうがコストを大幅に削減できるためです。

製造業(工場勤務、ライン作業)

工場勤務やライン作業などの製造業はAIによってなくなる仕事と言われています。AIを導入したカメラセンサーを設置することで人間よりも正確に品質管理や検品が可能です。24時間の稼働で生産性も向上します。

また、在庫管理や発注もAIに代替することで、正確な仕入れが可能になり余計なコストも削減できます。AIの導入には高額な初期費用が必要ですが、長期的に見れば最終的に回収できるケースがほとんどです。

スーパー、コンビニ店員

スーパーやコンビニの店員はAIによってなくなる仕事と言われています。すでに、多くの店舗でセルフレジが導入されており、在庫管理や発注といった数字管理はAIの得意分野です。

2025年7月にオープンした「ローソン高輪ゲートウェイシティ店」はロボティクスで品出しや店内清掃、調理などの業務を支援しています。また、防犯カメラ影像からAIが業務量を分析して、効率化をサポートするシステムを実装しました。

Webライター

WebライターはAIによってなくなる仕事と言われています。生成AIの登場により、記事の構成や文章の大半を自動で作成が可能になりました。日本経済新聞では、企業の決算発表資料や業績データからAIを使って作成した記事を公開しています。

ただ、AIが作成した記事は表現に違和感があるケースや記載された数値が違っている可能性があります。まだ、人間の目によるチェックが必要ですが、AIにより業務の大幅な効率化ができたのは事実です。

会計監査

会計監査はAIによってなくなる仕事と言われています。AIを使えば企業の大量のデータを数分で処理できるため、人間の目で確認していた時間とコストを大幅に削減が可能です。

今後は、監査調査に必要な報告書や分析をAIが担当して、監査人は取引先との対応や重要案件のチェックといった業務に集中するでしょう。

薬剤師

薬剤師はAIによってなくなる仕事と言われています。調剤業務や処方監査、在庫管理などはAIの得意なので、薬剤師の業務の大半が代替可能です。

また、大手ドラックストアチェーンの「くすりの福太郎」では自動受付のテスト導入を始めました。処方箋入力や在庫確認などに時間を割けるようになり、業務に余裕が生まれたと好評です。

ホテルフロント

ホテルフロントはAIによってなくなる仕事と言われています。すでに、無人のセルフチェックシステムを導入しているホテルでは、対面でおこなっていた本人確認やパスポートのチェックなどをAIに代替しています。

また、インバウンド対策として日本に訪れる外国人観光客への対応も、多言語を話せる従業員を雇うよりAIロボットを活用することでコスト削減を期待されています。

AIによってなくならない仕事

なくならない仕事	具体的な仕事例
▼対人スキルが必要な仕事	コンサルタント、カウンセラー、営業職、介護士、接客業など
▼命を預かる仕事	医師、看護師、獣医師、歯科医師、救命救急士など
▼人を教育する仕事	教師、保育士、塾講師、インストラクターなど
▼創造性やセンスが 必要な仕事	デザイナー、動画クリエイター、ミュージシャン、フォトグラファーなど
▼国の基盤を支える仕事	政治家、行政職員、弁護士、など
▼動物とかかわる仕事	動物園や水族館の飼育員、ペットショップ店員、ブリーダーなど
▼IT技術が必要な仕事	ITエンジニア、AIエンジニア、データサイエンティストなど

AIによってなくなる仕事を解説してきましたが、AIが進歩してもなくならない仕事も存在します。AIでは対応できない「対人スキル」「創造性」などが必要な仕事はなくなる可能性が低いです。

下記より、AIによってなくならない仕事を解説していきます。「現状の仕事がAIによってなくなるかもしれない⋯」と不安な人は、転職先の参考にしてください。

対人スキルが必要な仕事

コンサルタントや営業職などの対人スキルが必要な仕事は、AIに仕事を奪われる可能性が低いです。顧客の要望を汲み取り、信頼関係を築いて適切なサービスを提案するには人間の感情を理解しないといけません。

たとえ、AIが人間の感情を理解できるほど進化をしても、機械に相談をしたいと思う人は少ないと思います。感情の理解はAIにとって苦手な分野なので、対人スキルが必要な仕事は、まだまだ需要が高い仕事です。

▶対人スキルが必要な仕事の求人を探す

命を預かる仕事

医師や看護師などの命を預かる仕事は、AIによってなくならないと言われています。電子カルテや検査の数値チェックなどにAI導入が進んでいますが、患者へのケアや命を預かる診断の決定はAIで対応できません。

また、AIの導入によって医師や看護師のスキル低下や、過信による医療ミスの可能性などが懸念されています。患者側からしても、自分の命をAIに任せたいと思う人は少ないでしょう。

▶命を預かる仕事の求人を探す

人を教育する仕事

教師や保育士といった、人を教育する仕事はAIに仕事を奪われる可能性が低いです。PCやタブレットを導入した授業が増えていますが、あくまで勉強を教える手段の変化です。子どもたちのコミュニケーションはAIで対応できません。

また、教師は学校の成績だけを上げるだけが業務ではありません。AIではできない団体行動の経験や情操教育など、社会で必要な経験を学ばせるのも教師の仕事です。教育現場では、まだまだ人の手が必要でしょう。

▶人を教育する仕事の求人を探す

創造性やセンスが必要な仕事

デザイナーや動画クリエイターなどの創造性やセンスが必要な仕事はAIによってなくなる可能性が低いです。人間独自の美的感覚やクリエイティブな発想はAIで代替できません。

AIは過去のデータを分析するのは得意ですが、新しい発想やアイデアを出すのは人間に劣ります。また、クライアントとやり取りをして、希望通りの作品を仕上げるのも人間のコミュニケーション力が必要です。

▶創造性やセンスが必要な仕事の求人を探す

国の基盤を支える仕事

政治家や行政職員など、国の基盤を支える仕事はAIから仕事を奪われる可能性が低いです。政治家や行政職員といった、公務員や国の司法を担う弁護士はAIで代替できません。

政治家は国の行く末を判断する能力が必要ですが、答えに正解がないものです。AIは過去の分析は得意ですが、未来に対して判断する能力は人間に劣ります。AIはあくまで資料作成といった業務の補佐に留まるでしょう。

▶国の基盤を支える仕事の求人を探す

動物とかかわる仕事

動物園の飼育員やペットショップ店員などの、動物とかかわる仕事はAIによってなくなりません。医師と同様に命を預かる仕事であり、会話や意思の疎通はAIで対応できないためです。

また、動物の体調管理や食事の世話は人間以上に繊細で重労働です。まだまだ人間による判断や対応が必要なので必要なので、将来性の高い仕事と言えます。

▶動物を飼育・管理する仕事の求人を探す

IT技術が必要な仕事

ITエンジニアやAIエンジニアはAIが進化してもなくなる可能性が低い仕事です。ITエンジニアには、単純作業ではなく創造性や技術力が求められます。また、AIが苦手なクライアントやチーム全体とのコミュニケーションも必要です。

また、データサイエンティストのようにデータ分析だけでなく、顧客へのビジネス戦略のアドバイスや課題の解決といった応用力はまだAIには困難とされています。

▶IT技術が必要な仕事の求人を探す

AIによって生まれる仕事もある

ここまで「AIによってなくなる・なくならない仕事」について解説をしました。逆に、AIが普及することで新しい仕事も生まれるはずです。今後はAI関連の専門職や、ビジネスに活用するコンサルタントなどが生まれると予想されます。

この記事では、アメリカの大手ITサービス「コグニザント」が出版した「What to do when machines do everything」に紹介されている、仕事を参考に解説していきます。

データ探偵

データ探偵とは、AIが得意とする分析や統計から算出されたデータを基に、企業に対してコンサルティングをおこなう仕事です。AIの苦手な創意工夫を人間が補っている仕事と言えます。

データ探偵の様に、AIと人間の長所をそれぞれ活かした仕事は今後も増えていくでしょう。

フィットネス・コミットメント・カウンセラー

フィットネス・コミットメント・カウンセラーとは、AIで管理している健康状態を人間がアドバイスする仕事です。行動にはモチベーションが大きく関わるので、人間が精神的支えのポジションになります。

AIが解析したデータが正しいといっても実際に人間が行動するとは限りません。AIにはできない精神的フォローによって「健康になろう」「運動しよう」というモチベーションが生まれます。

サイバー都市アナリスト

サイバー都市アナリストは、AIや無数のセンサーによって自動化された未来都市の、頭脳兼管理人となる仕事です。電力供給やごみ収集といったインフラをAIが担う都市で、システム全体が正常かつ安全に動くよう管理します。

主な業務は、都市の重要データを守るセキュリティ管理や、センサー類の保守点検、AIが正しく機能するための統制などです。都市の自動化が進むほど、システムを守り、適切に運用する専門家の社会的ニーズは高まり続けると考えられます。

財務健全性コーチ

財務健全性コーチは、顧客のデジタル資産を管理し、安全な取引をサポートする金融の専門家です。AIの普及によって仮想通貨などの新しい金融サービスが次々と生まれており、専門家による助言の需要が高まっています。

この仕事には、最先端の金融知識と、顧客の不安や希望を丁寧に聞き取る対話力の両方が求められます。テクノロジーが進化するほど、人と技術の間を繋ぐコミュニケーションの専門家は、社会でより一層重要な存在になります。

AI支援医療技師

AI支援医療技師とは、病院が少ない地域に住む人々のために、遠隔での医療を実現する技術者です。技師が患者の自宅を訪問し、AI搭載の診断機器を使うことで、医師は遠隔地からでも診察をおこなえます。

この技術が普及すれば、誰もが好きな場所でオンデマンドに医療を受けられる未来の実現に繋がります。患者がわざわざ病院へ足を運ぶ必要がなくなり、医療アクセスの課題を大きく改善できるでしょう。

ゲノム・ポートフォリオ・ディレクター

ゲノム・ポートフォリオ・ディレクターは、AIによる遺伝子研究で開発された新薬を消費者に販売するための戦略を立てる仕事です。今後多くの新薬が生まれるため、どの薬をどのように売り出すかを計画する、専門的な視点が求められます。

AIが次々と新薬を開発するので、市場に広めるマーケティング能力をもった人材が不可欠です。AIが作った製品やサービスを効果的に売り込むスキルを持つ人材は、重要な存在になります。

AIから仕事を奪われないようにするためには？

AIに仕事を奪われないためには、AIにはない人間の強みを活かし、AIを使いこなす側になることが重要です。AIの進化を脅威と捉えるのではなく、自身の市場価値を高める機会と考える視点を持ちましょう。

AIに代替されない専門スキルを習得するなど、自身の市場価値を高めていく具体的な行動が求められます。

もし今後のキャリアに不安があれば「ビズリーチ」で客観的な市場価値を確かめ、AI時代に求められる人材を目指すのがおすすめです。

AIを活用するスキルを身につける

AIに仕事を奪われないためには、AIを「使う側」になるためのスキルを身につけることが大切です。AIを業務効率化のツールとして積極的に活用することで、自身の生産性を高め、より付加価値の高い仕事に集中できます。

具体的なスキルとしては、AIから的確な回答を引き出す「プロンプトエンジニアリング」が挙げられます。

このようなスキルを習得すれば、AIを効果的に利用して業務の成果を最大化できるでしょう。

AIに代替されにくい能力を身につける

AI時代を生き抜くためには、AIに代替されにくい高度な専門性や創造性といった能力を磨くことが有効です。AIが苦手とする分野であり、このような非定型的な業務スキルを持つ人材の価値は今後さらに高まります。

具体的には、0から1を生み出す企画力や、人の心を動かすデザインを生み出すクリエイティブな能力が挙げられます。

クリエイティブな能力や企画力はマニュアル化が困難なため、AI技術がどれだけ進化しても、人間の仕事として残り続ける可能性が高いです。

専門知識や高度なスキルを習得する

自身の担当業務において、誰にも負けないレベルの専門知識や高度なスキルを習得することも重要です。特定の分野を極めた専門家は、AIが提示するデータだけでは見抜けない、微妙な状況判断や未来予測が可能になります。

常に業界の最新情報を学び続け、実践的な経験を積み重ねれば、自分だけのニッチな専門性を確立できます。

このような人材は代替が不可能なため、企業にとって不可欠な存在となり、AIの進化に関わらず安定したキャリアを築けるでしょう。

AIは人間の業務のサポートに留める

AIと共存するためには、AIをあくまで業務のサポート役と位置づけ、最終的な意思決定は人間がおこなうことが重要です。AIは過去のデータから最適解を導き出すのは得意ですが、倫理観や社会情勢を考慮した判断は人間にしかできません。

例えば、AIが作成した文章や資料も、鵜呑みにせず必ず人間の目で事実確認や修正をおこないましょう。

AIによるミスを防ぎつつ、業務全体の品質と生産性を向上させることが可能です。

AIで人間の仕事が効率化されている事例

AIは仕事を奪うだけでなく、人間の仕事を効率化して生産性を向上させる強力なツールにもなります。実際に多くの企業がAIを導入し、これまで人間が時間や手間をかけていた作業を代替させて、業務負担の軽減に成功しています。

以下では、様々な業界でAIがどのように活用され、人間の仕事をサポートしているのか具体的な事例を紹介します。AIと人間が協働することで生まれる新たな可能性が見えてくるでしょう。

【製造業】本田技研工業：開発や企画業務の工数を削減

本田技研工業では、熟練技術者の知識継承が課題でした。従来の手法では、わずか2～3部品の知識モデル作成に400時間も要しており、この課題を解決するためIBMの生成AI「watsonx.ai」を導入しました。

AIの活用により、知識のモデル化に要する時間を67%も作業短縮に成功しています。加えて、開発業務で30%、企画業務では50%の工数削減も達成し、従業員がより創造的な業務に集中できる環境を整えています。

※参考：本田技研工業株式会社(Honda社)とIBM

【小売業】セブンイレブン：AI発注で店内作業を効率化

セブンイレブンでは、AIを活用した発注システムを全店舗で導入し、店内作業の効率化を実現しています。過去の販売データなどを基にAIが需要を予測し、最適な発注数を提案することで、品切れを防ぎつつ従業員の負担を軽減しています。

AIシステムの導入によって、発注にかかる作業時間は約4割も削減されました。これにより生まれた時間で、従業員は品揃えの改善や売場づくりといった、より付加価値の高い業務に取り組める体制になっています。

※参考：店舗における働きがい・働きやすさの向上｜セブンイレブン

【建設業】大林組：建築デザインをAIで効率化

大林組では、AIを活用して建築デザインの初期作業を効率化する技術「AiCorb(アイコルブ)」が活用されています。手書きのスケッチや簡単な3Dモデルから、AIが建物の顔となる外観デザイン案を複数、自動で作成してくれます。

従来は、手間がかかっていたデザイン案の作成が、瞬時にできるように効率化されました。お客様との打ち合わせの場で、要望をすぐに3Dモデルとして見せられるため、共有がスムーズになり、効率的に設計を進めることができます。

※参考：建築設計の初期段階の作業を効率化する「AiCorb」を開発｜大林組

【医療】塩野義製薬：製品開発期間を大幅に短縮

塩野義製薬は、日立製作所と協力し、生成AIを用いて医薬品開発を効率化する取り組みを開始しました。この提携は、両社の技術と専門知識を組み合わせて、新薬開発の業務プロセスを自動化するものです。

AIの活用で資料作成などの作業時間を減らし、開発期間全体を大幅に短縮できる点も大きな特長です。結果、新しい医薬品をより速く、より確実に患者のもとへ届けることが可能になりました。

※参考：SHIONOGIおしらせ

【介護職】介護ロボットの導入で職員の負担を軽減

介護の現場では、AIを搭載した見守りシステムが職員の負担軽減に貢献しています。センサーが利用者の心拍や呼吸、室内の動きなどを常に確認し、職員はスマートフォンなどからリアルタイムで状況の把握が可能です。

また、AIを活用した記録業務の支援も、職員の負担軽減に大きな効果をもたらしました。ケアの内容を音声で話すだけでAIが自動で記録を作成するため、事務作業の時間を大幅に削減し、利用者のケアに集中できます。

※参考：介護分野におけるAI等の活用状況｜厚生労働省-老健局

AIによってなくならない仕事への転職におすすめの転職エージェント

転職サービス	特徴
ビズリーチ	【高収入を目指すのにおすすめ】 ・年収レンジも高く求人品質が高い ・年収500万以上の方向け ▶公式サイトで詳細を見る
マイナビ エージェント	【20代~30代におすすめ】 ・若手採用求人が豊富 ・サポートが欲しい方に◎ ▶公式サイトで詳細を見る
レバテック キャリア	【エンジニア、デザイナーに強い】 ・IT/Web業界特化のエージェント ・エンジニアなど経験者におすすめ ▶公式サイトで詳細を見る

まとめ

AIの進化によって単純作業やデータ処理はAIに任せ、人間はより付加価値の高い業務へ移行していく時代が訪れています。

AI時代を生き抜くためには、創造性や専門性、コミュニケーション能力といった人間ならではの強みを磨くことが不可欠です。AIを単なる脅威ではなく、業務を効率化してくれる強力なパートナーとして捉え、使いこなす視点を持ちましょう。

もし今後のキャリアに不安を感じるなら、市場価値を客観的に把握するのがおすすめです。「ビズリーチ」のような転職サービスを活用すれば、優良企業からのスカウトを通じて本当の価値を知るきっかけを得られます。