ファクトファインディングとは?事実の掴み方とコツ
「提案するんじゃない、お客様の話をきいてくるんだ!!」「聞くんじゃない、聴くんだ!!」営業している会社では、こんな会話がよく飛び交っていると思います。
しかしながら「聞く・聴く」という言葉に囚われていると、何も前に進めません。
私は「顧客の事実を掴む」ことを、イコールお客様の話を聴いてくることだと思っています。事実をつかめれば、仮説を立てることも、その先にある課題解決を行うことも可能です。
顧客の事実を掴む、ファクトを掴むということで、これをファクトファインディングと呼びます。
今回は、営業の原理原則である営業フローの
- 1.事前準備
- 2.アプローチ
- 3.ファクトファインディング
- 4.プレゼンテーション
- 5.クロージング
- 6.アフターフォロー
のうち、『3.ファクトファインディング』に絞ってご説明します。
ファクトファインディングについて
ファクトファインディングに必要な心構え
顧客との商談は熱意と誠意を持って臨むこと。この営業担当であれば「いろいろ相談したい」という印象を与えることが重要です。
そのために、顧客の事実をつかみ、課題を解決する道筋を掴むためのファクトファインディングが必要です。
ファクトファインディングの目的
ファクトファインディングの目的は、顧客の課題を掴むことにあります。
顧客は、自ら課題を口に出すことはありません。顧客の真の課題を一緒にみつけることが、営業のチカラの見せ所です。
事実を多く掴み、まとめ並びあげて、問題を抽出し、そこから課題を把握するためにファクトファインディングが存在します。
ファクトファインディングとは?
- ファクトファインディングとは、顧客の事実を掴みにいくこと/見つけ出すこと
- 言葉にしていると、「聞く・聴く」という風に受動的に見えるが圧倒的に能動的
- 営業マンがお客様の課題(真実)を、質問や投げかけをして引き出していくという行為
また、「課題」の意味について簡単にふれると、下記の図のようになります。
事実を多く把握することで問題を把握し、そこから最も顧客に重要な問題が、課題となります。
ファクトファインディング8つのコツ
- 「事実」と「意見・想い」を混同しないこと
- 「5W1H」の観点で事実をつかむこと
- 「なぜやらないのか」をつかむこと
- 不要な事を、一切話さないこと
- 必要な情報をとりまとめ、顧客に確認するここと
- 仮説を立て聴くこと
- 仮説に頼らないこと
- 現在過去未来を把握すること
先入観を排すことが大切
ファクトを把握するために「定量的なデータ」が不可欠です。
定量的なデータとは“数値にできる事象”のことで、例えば顧客が1か月の予算としていくら持っているのか、商談を1日に何件位行なっているのか、といったことです。
営業マンから商談の振り返りを聞くと、事実と主観に聞き分ける事が出来ていないケースがとても多いです。顧客が言った事を、すべて真実としてとらえてしまっています。顧客自身も思いと事実を混同しているケースも少なくありません。
- 営業が整理して聞いていく事により、本質的な問題点、要望が明確になる
- 営業「Aという事象、Bという事象からするとCという事ですね」
- お客様「うわっ、確かにそうだ!」←顧客自身も、課題を初めて知る
掴んだ事実は、共有していくことも重要。アグリー(合意形成)がしっかりとれていれば、提案がスムーズにいきます。
ファクトを掴むために有益な質問
1.オープン質問 感情面 「内面に入る」質問です― yes.noだけでは答えにならない質問 「何が?」「なぜ?」
2.クローズ質問 論理 「データの入手」― yes.noの答えになる質問 「いつ」「どこで」「いくら」「いくつ」
3.セイ・アゲイン 深堀をする質問・・さらに詳しく聞きたい時― 「と、おっしゃいますと?」「なぜそう思うんですか?」
特にセイ・アゲインは、ファクトファインディングに非常に重要です。
普段から人の会話を聞くなかでも心がけ、相手が話したいことの本質を掴めるように鍛錬しましょう。
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